パンピング グラファイト

主に鉛筆で描いた自分の作品紹介したり、観た映画の感想書いたりしてます。

映画「高地戦」を観ました

今回は韓国映画「高地戦」を観たので感想を書きたいと思います。

 

高地戦 スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray]

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あらすじ

朝鮮戦争末期の1953年冬、南北境界線をめぐる停戦協議は難航し、境界付近の高地では激しい攻防が続いていた。韓国諜報隊のカン・ウンピョ中尉(シン・ハギュン)は、最前線の「エロック高地」で戦うワニ中隊にいるとされる人民軍の内通者を調査するために現地に派遣される。(wikipediaより抜粋)

 

あらすじにもある通り、朝鮮戦争の話なのですが、非常に考えさせられる内容でした。主人公が視聴者目線で、悲惨で、独特の倫理観を持つ前線を兵士と一緒に過ごす、戦闘に参加する、という作りになっています。なので、飲み込みづらくほとんどの人が体験したことのないであろう激しい戦闘も、異邦人のような主人公と同じ感覚で入り込んでいけるので、自分のような戦争映画弱者でも非常に楽しめました。

戦闘の演出はけっこう凄まじいです。腕は取れちゃうし敵も味方もガンガン死んでいくし、それが土ぼこりや怒号を伴ってローアングルの画面に表れるからそこにいるかのような気分になるんですよ。迫力がすごくて、アジアでもここまで出来るんだ、とちょっと嬉しい気持ちになりました。

でも緩急もちゃんとついてて、戦闘から離れた時間の兵士達を描くシークエンスもいいんですよね。ちょっとコミカルだったり、真面目な奴がいたり、あどけない兵士がいたり、、そこがキチンと描けているから戦闘シーンが切なくなって、、というミルフィーユw。

 

しかし、戦争というのは悲惨で、悲しいなぁと観た後は必ず思うはずです。様々な要因、思想の違いや、もうちょっと身も蓋もない理由もあるかもしれませんが、最前線の兵士達は上の命令に従い、戦い、死ぬだけなんですよね。人がモノのように扱われるというのは非常に辛いです。「マッドマックス怒りのデスロード」でも重要なテーマでしたね。

しかも朝鮮戦争の場合は、敵も味方も同じ言葉を喋る同じ民族なんですよね。ここですこぉしネタバレ。映画的誇張もあると思うのですが、この映画の中で、ある曲を敵味方一緒に歌うシーンがあるんです。じゃあなんで敵味方分かれて戦うのよ、と現場レベル

では、、思ったりするのかな、と。日本だと西南戦争戊辰戦争の時はこんな気持ちの兵士もいたのかなと思ったり。

とにかく、ただただ「戦闘シーンアガッったー!」とか「兄貴カッコイィ!」だけでは終わらない映画になってます。観賞後にお土産が残りますよ。

 

 

 

作品その7

作品の紹介です。もうそこそこの量を紹介してますね。

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題名:消える音3

サイズ:10.0cm×14.8cm

 

相変わらず鉛筆です。これもだいぶ前に描いた作品ですが、この葉っぱはなんの葉っぱだったかなぁ、、、前も書きましたが、枯れ葉の形は大好きなんですが、種類には全く興味がないんですよねぇ。でも描いたときには覚えてたりするのですが、うぅむ。

下の真ん中よりちょい右に半分だけ顔出してるのは多分ケヤキの葉っぱですね。これはあんまり好きな形ではないのでなんの葉っぱか覚えました。ケヤキの葉っぱは色っぽくない形だと思うんですよね。でも半分だけ顔だすと可愛いかなぁなんて思って。

 

自分の好きなアレっぽいのをやりたい!という話

自分が作品を制作していると、あぁあの、好きな映画のアレ、自分の作品でもやりたいなぁ、とか影響受けたりすることがあるんです。

すっごい分かりやすいのがこのブログ上でも紹介した「ファーゴ」でのピーター・ストーメアですね。分かりやすいというか、まんまなので分からなければ技術の稚拙さに助けられてるって感じで(苦笑。

 

やっぱり理想は自分の中で好きなものを咀嚼して、何が良いと感じたのかを理解して自分の作品世界に落とし込むという事だと思うのですが、なかなかねぇ、、、

それでも逆の手法、例えば映画でいうと、クエンティン・タランティーノのような引用のツギハギみたいな手法で、完全に自分の作品といえるものを造り出してしまうような天才もいるので一概には言えないですよね。

表現活動をするならば、「〜するべき」みたいな視野を狭めてしまう「べき論」は用いない方がいいのかもしれないなぁ、という事で総括してしまうにはあまりに巨大な話なので、またボチボチここで書きたいなぁと思います。

 

ここからが本文ですが、実際に「好きなアレっぽいのをやりたいなぁと思って自分になりにアレをやってみた作品」を紹介したいと思います。

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題名:覗く

サイズ:10.0cm×14.8cm

 

この作品は富士山にまつわる作品ばかりを集めたグループ展のために描いたものです。

なので、見た目通り富士山と、それにまつわる神話をテーマにしています。襖の奥の暗い部屋には姿の醜い大室山が、、、という感じで。

それともう一つ、これやりたいなぁというものがあったのですが、それが実は「東京物語小津安二郎監督の作品なんです。

あの、ローポジションから構えて、枠内に枠を設ける形の、計算されつくした構図で日本家屋をビシッと捉えると、普段見慣れてるはずの情景が素晴らしく絵になるんですね。基本固定カメラでその画が堪能出来るような映画の作りになってて、その画を楽しみたいこちらとしては非常にありがたいのです。メチャメチャかっこいいんですよ。いや、もちろん物語に必然のある画でどちらが欠けてもこうはいかない素晴らしい作品なのは大前提です。

一言で表すと、具象でドメスティックなモンドリアンって感じ(どんな感じだよw

その感じをやってみたくてこの作品を描いてみたんですね。

ついこの前、TOHOシネマズでやっている午前十時の映画祭で「東京物語」を見てきて、改めて美しい画だなぁとため息を漏らしていました。映画館で見ると美しさはまた格別で、自分の作品なんてもう遠く及ばなさすぎて鼻血ものでした。

これからも、もっともっと自分が良いなぁと思うものをきっちり咀嚼してより良いものを造っていきたいものです。

 

  

 

 

作品その6

小さな作品ばっかり描いてる自分ですが、その中でも一番小さなシリーズの一つを今回紹介したいと思います。

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題名:標本、枯れ葉1

画面サイズ:3cm×4.3cm

全寸:6.3cm×7.5cm

 

これぐらいのサイズだと楽しい気持ちだけで描けて良い気分転換になります。といっても細い線を美しく描く技術をなんとか習得したいなぁみたいな気持ちは多少はありますよ。ただ、お絵描きの気分転換がお絵描きっていうのはどうかと思いますが(苦笑。

あ、あと一応映画も気分転換ですね。

 

もう枯れ葉が好きなのは分かったよ!と言われそうですが、、やっぱり枯れ葉はイイですねぇ。ただし、葉っぱの種類だったりは実は全然知らなかったりするのです。好き好き言ってる癖に恥ずかしい奴だなぁなんて思わないで欲しいなぁ、、、

パシフィックリムを見た感想

昨日の土曜日21:00からフジテレビで「パシフィックリム」をやっていたので、パシフィックリムについて書こうと思います。

 

 

パシフィック・リム [Blu-ray]

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あらすじ

2013年8月、太平洋グアム沖の深海に異世界と繋がる割れ目が生じ、そこから現れた怪獣「アックスヘッド」がサンフランシスコを襲撃。米国は陸海空軍の総攻撃で6日かけてこれを撃破することに成功するが、その後も別の怪獣が次々と出現し太平洋沿岸都市を襲うようになったため、沿岸諸国は環太平洋防衛軍 (PPDC) を設立し、怪獣迎撃用の巨人兵器イェーガーを建造して立ち向かう。イェーガーの登場によって人類は一時的に優位に立ったが、怪獣の出現ペースは少しずつ早まっていき、再び人類は劣勢に追いやられていった。
2020年2月、米国アンカレッジを怪獣「ナイフヘッド」が襲撃。イェーガーのパイロットであるローリー・ベケットは、同じくパイロットの兄ヤンシーとともにイェーガー「ジプシー・デンジャー」に乗ってこれを迎撃するが、戦闘で機体が大破し、更に兄ヤンシーが戦死する。通常、イェーガーはパイロット一人では身体への負担が大きすぎて操縦できないが、ローリーは単独でナイフヘッドを撃破することに成功する。そんな中、世界各国の政府首脳陣は、怪獣の襲撃によってイェーガーが失われるペースが加速し、生産が追いつかないことを問題視しており、イェーガー計画を中断することをPPDCの司令官、スタッカー・ペントコストに告げる。それと同時に、世界各国に巨大防護壁を建造する「命の壁計画」によって、徹底した防御策に出ることを決定した。しかしその壁も怪獣の侵攻の前では全く意味をなさず、人類は滅亡の危機に瀕していた。(wikipediaより抜粋)

 

パシフィックリムは元々好きな映画なのですが、昨日地上波放送をやっていたのでそのタイミングで自分の感想を書きたいと思います。

いやぁ、久しぶりに見ましたが面白かったです。CMが入っていちいち気持ちがリセットされてしまうのと、吹き替えなので英語訛りの「カイジュー」が聞けなかったのが残念です。「エルボーロケット」という必殺技が「ロケットパンチ」になっていたのはそれはそれで味わい深かったですなw

 

初めてパシフィックリムを見たときは素直に「ギレルモ・デルトロ監督、ありがとうございました」という気持ちになりました。

これだけの予算で、これだけのルックで、ロボットと怪獣が闘う映画を作ってくれるなんてという気持ちが湧き上がってきたんです。

まずロボットや怪獣の見た目が良いですよ、カッコいい!もう素直にカッコいいです。ロボットは劇中イェーガーと呼ばれるのですが、個人的にすこぉしパチもん感がある気がして、そこがいいなぁと(褒めてるように聴こえないですが、、、

怪獣は着ぐるみ感があって往年の円谷怪獣っぽさが若干あります。見た目の凶悪さはだいぶ増してますが。そういえばエビラみたいな奴もいたなぁ。

闘ってるシーンはローアングルでグワァといってバッシャァンとガラス割れて(バカな表現)、でっかい物が暴れてるっていう説得力がものすごいです。吹っ飛ばされた時に色んなもの、車とか建物とか、を巻き込んでいくのですが、ちゃんとものに重量感を感じます。凄まじい技量だと思います。完全に作り物の世界をキチンとリアルに描くという事の重要さを非常に感じました。

それでいて怪獣が吼えるときにちゃんと見栄を切ったり、港で押し相撲の状態になりイェーガー(ロボットですな)が押された時、あの石原裕次郎は足をかけてカッコつける奴(で伝わるかな、、)にカカトがぶつかりキンッと音をたてるところなど、ケレン味もすごいあるのです。「カッコいい、、、」と思わず声が出てしまいます。

あ、あと怪獣が縦に真っ二つになるシーンがあるのですが、あれは「ウルトラマン」が八つ裂き後輪でバルタン星人を真っ二つにするシーンへのオマージュなんじゃないかなぁと勝手に思ってます。ギレルモ・デルトロ監督、ウルトラマン好きらしいし。

それと菊池凛子さん、めちゃめちゃ可愛いです。書かなくても良いことですが念のためw

過去に捕われていた主人公が大きなものの為に闘いを挑み、自らの呪縛をも乗り越えていくという物語の事も書きたいのですが、あえてロボットと怪獣に焦点を当てて書きました。とにかくすごい映像です。是非見てみてください!

作品その5

久しぶりにでもないですが、私の作品を紹介したいと思います。

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題名:消える音2

サイズ:10.0cm×14.8cm

 

紙に鉛筆で描いた作品です。

基本的に自分は画面をこすらずに全ての面をカリカリと描いてます。一作だけこすった作品がありますが、その作品は蝦蟇の背景なのです。大きかったので誘惑に負けてしまい、、、

個人的な考えですが、こすると色、というか黒鉛の粒だちというか、、それが潰れてしまう気がして出来ないんですね。自分がこするとどうしてもキレがなくなり汚れたような画面になってしまう。要するに、こすった色や風合いをコントロールする技術がないだけなのですが(汗。

鉛筆の美しい色合いを上手く引き出せるようになりたい!といつも願ってるんですが、なかなかねぇ、、、

 

モチーフはイチョウです。イチョウはスラァ〜と伸びる根元、そしてその豊満な形がセクシーだと思うのですがどうでしょう。綺麗なシルエットしてますよね。その部分が伝わるように描けてたら嬉しいのですが。

 

 

祝!マッドマックス「怒りのデスロード」アカデミー賞六冠!

アカデミー賞の授賞式が終わりましたね。

主演男優賞にレオナルド。ディカプリオがやっと選ばれたり、イニャリトゥ監督が二年連続で監督賞をとったり、ルベツキが三年連続で撮影賞!とったりと、ノミネートから受賞作品まで歴史に残るような年になりました。

 

そして、我らがマッドマックスですよ!

美術賞、衣装デザイン賞、メイクアップ&へアスタイリング賞、編集賞、音響編集賞、録音賞の六冠達成!めでたいです。非常にめでたいですな。

ノミネートでいえばこれらのほかに撮影賞、視覚効果賞、そしてもう二つあるのですが、撮影賞はルベツキにやられてしまいました。ルベツキ、イニャリトゥコンビは去年の「バードマン」でもとってるじゃないか、譲ってよぉという気持ちもなくはないですが、でも確かにルベツキの手がけた作品て確かにすごいんですよね。だから、まぁ「レヴェナント」もすごいんだろうなぁ。見たいなぁと思ってしまいます。

視覚効果賞は「Ex Machina」という作品なんですが、あんまり分かってないのです。調べてみると監督のアレックス・ガーランドさんはずっと脚本を書いていた方みたいですね。「28日後・・・」の脚本、「28週後・・・」では製作総指揮を務めてたみたいですね。けっこう好きな映画なのに、知らなかった、、、

 

 それと、2012年版の「ジャッジ・ドレッド」の脚本・製作!この「ジャッジ・ドレッド」もすごく好きなんですよ。

 

ジャッジ・ドレッド Blu-ray(通常版)

ジャッジ・ドレッド Blu-ray(通常版)

 

 マスクすぐ脱いじゃうスタローン版も味わい深いですが、こちらの方がより殺伐度が高く、そして「ザ・レイド」張りな犯罪ビル探索が超楽しいです。敵さんの女組長も気合い入っててムチャムチャカッコいいですよ!

 

 これはこれでねw

 

問題はあとの二つですよ。作品賞と監督賞。作品賞は正直ノミネートされた事自体が快挙であり、まぁ現実問題としては取れないだろうなぁと思ってたのでまだいいのですが、

監督賞はとって欲しかった!ジョージ・ミラー監督という偉大な人物をアカデミー賞に評価して欲しかった!そこが少し寂しい気持ちになってしまいました。

でもマッドマックスは「怒りのデスロード」から三部構想らしいので、チャンスはまだまだありますね!メル版マッドマックスでいうと、個人的には2が最高傑作だと思っているので、次が本命だと、、いや、これは期待もこめてですが、そう願ってます!