自分の好きなアレっぽいのをやりたい!という話
自分が作品を制作していると、あぁあの、好きな映画のアレ、自分の作品でもやりたいなぁ、とか影響受けたりすることがあるんです。
すっごい分かりやすいのがこのブログ上でも紹介した「ファーゴ」でのピーター・ストーメアですね。分かりやすいというか、まんまなので分からなければ技術の稚拙さに助けられてるって感じで(苦笑。
やっぱり理想は自分の中で好きなものを咀嚼して、何が良いと感じたのかを理解して自分の作品世界に落とし込むという事だと思うのですが、なかなかねぇ、、、
それでも逆の手法、例えば映画でいうと、クエンティン・タランティーノのような引用のツギハギみたいな手法で、完全に自分の作品といえるものを造り出してしまうような天才もいるので一概には言えないですよね。
表現活動をするならば、「〜するべき」みたいな視野を狭めてしまう「べき論」は用いない方がいいのかもしれないなぁ、という事で総括してしまうにはあまりに巨大な話なので、またボチボチここで書きたいなぁと思います。
ここからが本文ですが、実際に「好きなアレっぽいのをやりたいなぁと思って自分になりにアレをやってみた作品」を紹介したいと思います。
題名:覗く
サイズ:10.0cm×14.8cm
この作品は富士山にまつわる作品ばかりを集めたグループ展のために描いたものです。
なので、見た目通り富士山と、それにまつわる神話をテーマにしています。襖の奥の暗い部屋には姿の醜い大室山が、、、という感じで。
それともう一つ、これやりたいなぁというものがあったのですが、それが実は「東京物語」小津安二郎監督の作品なんです。
あの、ローポジションから構えて、枠内に枠を設ける形の、計算されつくした構図で日本家屋をビシッと捉えると、普段見慣れてるはずの情景が素晴らしく絵になるんですね。基本固定カメラでその画が堪能出来るような映画の作りになってて、その画を楽しみたいこちらとしては非常にありがたいのです。メチャメチャかっこいいんですよ。いや、もちろん物語に必然のある画でどちらが欠けてもこうはいかない素晴らしい作品なのは大前提です。
一言で表すと、具象でドメスティックなモンドリアンって感じ(どんな感じだよw
その感じをやってみたくてこの作品を描いてみたんですね。
ついこの前、TOHOシネマズでやっている午前十時の映画祭で「東京物語」を見てきて、改めて美しい画だなぁとため息を漏らしていました。映画館で見ると美しさはまた格別で、自分の作品なんてもう遠く及ばなさすぎて鼻血ものでした。
これからも、もっともっと自分が良いなぁと思うものをきっちり咀嚼してより良いものを造っていきたいものです。